PMDDを知っていますか?PMSがひどい女性に必要な病院は婦人科じゃなかった

PMDD

みなさんは、PMDDという言葉をご存知ですか?

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そもそも、生理前には女性はみな大なり小なり、PMS(月経前症候群)という心身の不調を感じています。

PMSの女性は非常に多く、月経のある女性の20~50%、症状の軽い人も含めると80%にも及ぶという報告があるそうです。

PMSの時期に入ると、女性は頭痛やめまいなどの身体的症状に加えて、訳もなく悲しくなったり、イライラがとまらなくなったりします。

しかし、中にはさらに症状が重く、生理前の時期だけまるでうつ病のような症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたし、悩んでいる女性がいます。

実は、こういった重い症状のある女性は、PMSではなくPMDD(月経前不快気分障害)と診断されています。

そして、なんとPMDDは従来の婦人科系の治療では効果がないそうなんです・・!

PMDDとはいったい何なのか、そして、それを改善するにはどうすればよいのか調べてみました。

PMDDの歴史

PMDDは、比較的新しい病気です。

もともとはPMSと一緒に考えられていた病気ですが、1987年にLLPDD(黄体期後期の不快気分障害)という名称で呼ばれるようになりました。

黄体期と言うのは女性の方には馴染みのある言葉かと思いますが、排卵後から生理にかけての期間の事です。

しかし、このLLPDDが、1994年以降、PMDDという呼び方に統一されました。

1994年と言えば私も産まれた後ですから、非常に新しい病気であると言えますよね。

PMDDの症状

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PMDDは、生理前の1週間、中には排卵が終わってすぐからの2週間ほどにかけて、重い精神症状に悩まされます。

また、精神症状だけでなく身体の不調も同時に現れます。

空虚感

絶望感

自己否定

不安感や緊張感

理由のない激しいイライラ

怒りっぽくなる

突然泣きたくなる

集中力や気力が落ちる

異常に疲れやすい

過眠あるいは不眠

頭痛、関節痛、腹痛、筋肉痛など身体の痛み

冷えやのぼせ

むくんで身体が膨らんでいるような感覚

男性の方や、PMDDでない方がこれを見るとびっくりされそうな症状ばかりですが、経験のある女性の方なら納得していただけるのではないでしょうか?

PMDDの特徴としては、症状は生理前にしか現れません。

生理が始まって数日のうちには症状が消え、次の排卵までは何事もなかったかのように楽に過ごせるのです。

しかしこのように、症状の重症度はうつ病に匹敵するとされ、米国精神医学会(APA)による『精神疾患の診断・統計マニュアル第4版』では、特定不能のうつ病性障害に分類されています。

つまり、PMDDはもはや気のせいや体質などではなく、メンタル疾患に当てはまるんです。

PMSとPMDDの見分け方と診断基準

それでは、一般的に言われるPMSと、病的なPMDDとはどのように見分けたらいいのでしょうか?

PMDDには、DSM-Ⅳの研究用基準案というものがあり、これがPMDDを診断する際の世界基準になっているようです。

これによれば、PMDDの診断基準は以下のようなものになります。

A 過去1年間の間の月経周期のほとんどにおいて、以下の症状の5つ(またはそれ以上)が、黄体期の最後の週の大半の時間に存在し、卵胞期の開始後2~3日以内に消失しはじめ、月経後1週間は存在しなかった。
(1)、(2)、(3)、または(4)のいずれかの症状が少なくとも1つ存在する。

(1)著しい抑うつ気分、絶望感、自己卑下の観念

(2)著しい不安、緊張、”緊張が高まっている”とか”いらだっている”という感情

(3)著しい情緒不安定性(突然悲しくなる、または涙もろくなるという感じ、または拒絶に対する敏感さの増大)

(4)持続的で著しい怒り、易怒性、または対人関係の摩擦の増加

(5)日常の活動に対する興味の減退(例:仕事、学校、友人、趣味)

(6)集中困難の自覚

(7)倦怠感、易疲労性、または気力の著しい欠如

(8)食欲の著名な変化、過食、または特定の食べ物への渇望

(9)過眠または不眠

(10)圧倒される、または制御不能という自覚

(11)他の身体症状、たとえば、乳房の圧痛または膨張、頭痛、関節痛または筋肉痛、”膨らんでいる”感覚、体重増加

B この障害は、仕事または学校、または通常の社会的活動や他者との対人関係を著しく妨げる(例:社会的活動の回避、仕事または学校での生産性および効率の低下)。

C うつ病、パニック障害、気分変調性障害、またはパーソナリティ障害のような、他の障害の症状ののたんなる悪化ではない(ただし、これらの障害のどれに重なってもよい)。

D 基準A、B、およびCは、症状のある性周期の少なくとも連続2回について、前方視的におこなわれる毎日の評定により確認される(診断は、この確認に先立ち、暫定的に下されてもよい)。

引用:PMDDの研究用基準案(DSM-Ⅳ)

こうしてみると少し難しいですが、(1)~(4)に必ずひとつ当てはまり、他の項目も5つ以上当てはまること。

それによって社会生活に支障をきたし、また、他の病気が単に生理前に悪化しているものではないと確認された場合には、PMDDと診断されるようです。

当てはまる数が少なかったり、社会生活に支障をきたすほどではない場合は、PMSと考えられます。

また、十分に当てはまり社会生活に支障をきたすレベルでも、他のうつ病やパニック障害などの疾患が生理前に悪化することはよくある事なので、そうでないかの見極めが大切なのだそうです。

このように、PMSとPMDDを見分ける事、そして、他の疾患とPMDDを見分ける事は、非常に困難です。

「私も当てはまる気がするな」

そう思われた方は、自己判断は難しいので、専門家の診断を受けるようにしましょう。

PMDDは自覚のない患者さんが多い

上でも見てきたように、これだけ重い症状が毎月現れて、さらに社会生活にも支障が出ているにも関わらず、病気だという自覚のない患者さんが非常に多いのだそうです。

その理由は、まずは生理が始まったら症状が消失してしまう事。

動けるようになって病院に行こうかと思っても、そのころには症状が消えて「まあ、いっか」となってしまう事が多いのです。

また、PMSにも言える事ですが、こうした性周期に関わる疾患は、症状を経験したことのない方や男性には非常に理解されにくいものです。

そのため、「甘えだ、わがままだ、女性がみんなそうではないからお前の問題だ」と言われると、自分自身もそう思い込み、言い聞かせて我慢してしまいます。

そして残念な事に、比較的新しい病気である事から、専門家の中にもPMDDについてあまり知識のない方もいらっしゃるそうです。

以上の点から、PMDDには本人も自覚しづらく、病院に行っても理解されづらいという、悲しい側面があります。

PMDDは治るの?

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こんなやっかいなPMDDですが、実は薬物療法で改善されます。

といっても、PMSで使われるような漢方薬やピルはほとんど効果がありません。

PMDDに効果があるのは、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬です。

PMDDは、婦人科系の薬ではなく、抗うつ薬でしか治せません。

ですので、うつ病と同じ治療が必要なのです。

PMDDで受診するべき病院は?

  • PMDDは、他の精神疾患との見極めが重要
  • PMDDに効果があるのは婦人科系の薬ではなく抗うつ薬

以上の点から、PMDDで受診するべきは精神科・神経科・精神神経科という事になります。

精神科と聞くとびっくりされるかもしれませんが、最近は心療内科やメンタルクリニックと併設された綺麗な個人クリニックが沢山ありますので、大丈夫ですよ。

ぜひ一度、調べてみてください。

精神科医にPMDDであるかどうかを診断してもらい、もしPMDDであった場合はしばらく抗うつ薬を飲み続けることになります。

PMDDの場合の薬の服用方法は、症状がある期間だけ飲む方法と、継続的に飲む方法の2種類があるそうです。

こちらも、先生と相談して決めるようにしましょう。

PMDDで病院を受診するときのポイント

PMDDは、見極めが難しく、また、新しい病気である事から専門の先生でも見極めの難しい病気です。

そのため、PMDDで精神科を受診するときには、ひとつポイントがあります。

「私はPMDDだと思うのですが、こちらの病院ではPMDDの治療も対応してもらえますか?」

予約時や受付でこれを聞いておくのがポイントです。

よく、内科を受診するときに「風邪だと思うのですが」と言うのはNGだと言われますよね。

これは、事前にこちらが風邪と言ってしまう事で、他の症状があっても見落とされる可能性があるからです。

しかしPMDDの場合は、その症例で病院にかかる方が少ないので、事前にこちらが言っておいた方がPMDDを選択肢に入れてもらえて的確に診断していただけるようです。

また、問診のときにもいつ、どんなときに症状が出るのか、どんな症状に悩んでいるのか、きちんと伝えるようにしましょう。

症状がない時期になると忘れてしまうかたは、手帳に日記をつけていくことをオススメします。

診断の難しい病気ですので、こちらもしっかり準備をして、適切な診断をしてもらいましょうね。

そのうえで、しっかり治療していけば、PMDDの症状は必ず抑える事が出来ますよ。

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生理前のイライラ、自己否定、無力感、怒り、悲しさ。

これらは決して気のせいではありません。

あなたの気持ちが弱いからでもありません。

女性にしかわからない、れっきとした病気です。

我慢する必要はないのです。

治療して緩和する方法が、ちゃんとあります。

今回の記事を読んで、あてはまる項目があった方は、ぜひ病院を受診してみてください。

PMDDをきちんと治療することで、生活の質がぐんと高まることと思います。

PMDD

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